木の「元」と「末」

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ご存知の通り、木は上へ上へと少しずつ成長していきます。根に近い部分と、空に近い方の部分では、少し性質が異なります。この性質の違いを上手に使い分けし、きちんとした製材所では、根っこに近い部分は造作材に、それより上の部分は構造材にと、製材されています。

水分を下から上へと吸い上げて、上へ上へと伸びてゆくものなので、細胞や体のつくりも、当然そのようにできています。だから、「木は山で育った状態で使ってやるのが一番」なのです。

山で木が生えていた状態で使う・・・たとえば、「山で北側を向いていた木の面は、北側を向いている柱に使う」などといった具体です。

でも、今の住宅づくりの中では、そこまでできないのが現実です。ただ、今でも、国産材を使った住まい造りで守られている鉄則はというと、「元」と」「末」。

「元」とは、木の根っこに近い部分をさし、「末」とは空に近い部分をさします。

柱として使う場合には、「元」を「下」に、「末」を「上」にして使います。山で生えていた状態と同じスタイルで立たせてやるのです。その方が長持ちで強いとか。これは木を扱う人にとっては常識です。

でも・・・柱のセリ市場などに行くと、これが逆になっていることがあります。つまり、「元」を「上」に、「末」を「下」に柱を立てているのですが、なぜだろうと不思議に思いました。木を扱う人ばかりの場所だから、とっても気持ち悪く感じるハズなのですが・・・。

でもちゃんと理由があったんです。

居合わせた人に聞いたところ、「水が抜けやすいから」だとか。木は根っこ(元)から葉っぱ(末)へと水を送るつくりになっているので、水分を少しでも抜きたい時には、逆さまに立てておくといいんだそうです。さらに、「元」部分の方が節が少ないので、「人が立って柱を見たときに、元が上の方が綺麗に見える」って理由もあるようです。

この「元」と「末」。木肌で見分けるのはちょっと難しんですが、そんなことをちょっと意識してみると、上棟したばかりの住まいに立つ柱は、そのまま木がそこに立っているように見えてきます。

木の家はやっぱり、都会の中の森だと思います。

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