節のあるなし
節のない木材と、節のある木材。
建築においては、前者を「無節」、後者を「節あり」と呼びます。
この違いって、何だと思いますか?
そもそも節って何でしょう?
これはご存じの方も多いと思いますが、節=枝のこと。
樹木は枝を張って葉っぱを茂らせて初めて、太陽の光を集めることができ、生きていくことができるので、枝のない木などないのです。
すると...無節って??どういうことなのでしょう。
お話したように、木には必ず枝があるので、「無節」といっても、節の存在しない木材という訳ではなく、ただ「表面に節がない」ということなんです。
つまり、木が山で生えている段階から、柱として使われることを想定し、製材時に表面に節がでないように育てられた木という訳です。
昔は柱を隠さずに家を造る(真壁工法)ことが主であったため、見た目に美しい節のない木が重宝がられました。
ましてや、数寄屋造りや和室周りなどには、より一層、無節で艶のある白い木が求められました。
そのニーズに応えるための山側の努力の結果が無節の木なのです。
当然、「無節」という付加価値によって、高い木材価格を確保することは、林業経営にとって、とても重要なことでもあったのですが...。
いずれにしても、自然に育てて、製材時に偶然、柱表面に節が出なかった、というものではないということです。
では、どうやって無節の木をつくるのでしょうか?
まず、1本の木から柱をとるためには、丸い丸太を四角く製材する必要があります。
例えば、4寸角(12cm四方)の柱をとるためには、最低でも直径17cmの丸太が必要です(計算上のことなので、実際には挽きシロなどをみてもう少し大きめが必要)。
図の四角の部分が柱だとすれば、この表面に節が出ないように育てればいいわけですね。
ところで、木はどのように太るのか?というと、中心部分が広がって太っていくわけではなく、樹皮のすぐ内側の部分が太ることによって大きくなっていきます。
つまり、外側から太っていくわけです。
外側が年輪をつけて育つということは、幹の外に出ている枝は成長とともに幹に巻き込まれてゆくということです。
この幹に巻き込まれた枝が、製材時に表面に出てくると「節」になってしまうのです。
そこで山の人達は、枝を人工的に切る作業「枝打ち」を繰り返してきました。
枝うちして枝を切れば、木はその傷跡を覆うように成長していきます。
だから、ある程度の年齢までに枝打ちをしてやることで、柱表面に節の出ない木材をつくることができるのです。
ちなみに、木の枝の数や位置は、その木が誕生した時点で決まっているので、切り落とした枝がもう一度生えてくることはありません。
この作業を熱心に繰り返し、見事に育て上げられてきたのが、吉野杉であり、秋田杉だったのです。
一方、枝うちは、単に無節の柱を生産するためだけでなく、枝葉の量を調節することで木の成長をコントロールし、さらには林の中に適度な光を取り入れることで、下草の生長を促すためでもありました。
この点では、間伐の効果と同じですね。
...って、今回のお話、ちょっと難しかったでしょうか...?
ちなみに現在の住宅建築は、柱を隠してしまう大壁工法が主流。
さらに和室のない家も多くなり、無節の柱なんて必要のない家がほとんどです。
もちろん、節のある木が悪いわけでもありません。
ただ、大変な苦労をかけて育てられたものだから、どちらも有効に活用できないかな...そんな風に思うのです。
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