箱木千年家(はこぎせんねんや)

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先日、前から行きたい行きたいと思っていたところへ念願かなって行ってきました。そう、日本最古の民家住宅と呼ばれている兵庫の重要文化財『箱木千年家』に!

家族で行こうかとも思ってたんですが、子供たち連れて古い家見にいくのもねぇ・・・10分くらいしかもたなそうだし、モノ壊してもいけないし(笑)。

ということで、家族が里帰りして独身状態の今しかない、と意気込んでいってきました。超長いです、今回の内容。皆さんも心して読んで(笑)

近くでみるとすごい存在感・・・『まんが日本昔ばなし』に出てきた家そのままだ。箱木家はこのあたりの豪族だったそうで、当時のお金持ち、権力者の家ということになります。広さは30坪ほど。

『千年家』というのは本当に1000年経ってるわけではなく、ずっと古くからある家に付けられる呼称だそう。

この家もいつ建てられたのかよく分かってなくて、ダムができることになり現在の場所に移築される時に、解体した木材を『放射性炭素年代測定』(化石とか調べるやつ)で年代を調べたら、1283-1307年の間に伐採された木が使われていたそうです。日本は鎌倉時代、700年前の話・・・

ひときわ目を引くのが茅葺きの屋根。厚みは40センチぐらいはありそう。昔の日本人は相当小さかったのか、軒先が異常に低いのも特徴。かがまないと中に入れません。 たぶん1m50cmくらいか。

日本家屋といえば神社とかに見られる『高床(床下に風を通すつくり)』というイメージをもっている方が多いんです。ところが日本最古の700年前の家はこうやって『土に接して』建っています。

今回、この家をどうしても見学したかったのは、日本の家の移り変わりを知りたかったからなんです。この家は『竪穴式住居』『日本家屋』の中間に存在する家なんですよね。つまり、アイヌのチセ住宅と日本建築の共通点を探ることができるんでは、と思ったんです。

西側の一部は縁側のようになっていて、これが日本家屋の縁側のルーツなのかも。昔の人にとっては農作業を行う作業場でも あったんだと思います。これだけ軒が大きく低ければ、西日もほとんど入らなかったでしょう。

カンナがまだ発明?されていない時代なので、板はすべて手斧(ちょうな)で表面が仕上げられています。なのでぼこぼこしてるんですが、なんか気持ちいいのです。足ざわりが(笑)

こちらは北側。玄関や縁側が大きく開いてるのは南面だけで、そのほかの面は全て小さな窓しかないんです。特に西側には窓がない。
建具で開放的に暮らす日本家屋のイメージとはかなり違い、どちらかというと石積みで閉鎖的な北欧系住宅に似ています。

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もう一つ特徴的なのが外部の壁仕上げ。日本家屋では柱や梁を見せる『真壁(しんかべ)』が一般的なんですが、箱木家住宅では柱を見せない『大壁(おおかべ)』となっていて、蔵のような作りになっています。ここも漆喰で塗りかためてしまうヨーロッパ型の家づくりに似ています。

よし、じゃ早速中に・・・って、く、暗いっ!
まだ真昼なのにこの暗さ。窓が小さいから仕方ないけど・・・
にしても、外はうだるような暑さなのにすんごくひんやりしてる・・・

・・・なんか出そうです(笑)
でもこういう家での生活から妖怪とかのイメージが膨らんだんだね、きっと。

こちらは東からの内観。天井は吹き抜けになっていて、東側半分は土間。南東の一角は『うまや』になっていて、昔は人も馬も一つ屋根の下で生活していたことが分かります。しかし暗いから手振れしないように撮るのが大変・・・

こちらは先ほどの縁側につながる部屋。『おもて』と呼ばれていたそうで、現在のリビングのようなものでしょうか。現在でもリビングに面してウッドデッキを設けることが多いですが、 これは日本人のDNAに刷り込まれている配置なのかもしれないな・・・(笑)

手前には囲炉裏があって、きっとここはダイニングでもあったんでしょうね。絶妙な天井の低さが妙に落ち着きます。

 

天井を見上げてみました。一定間隔で掛けられた丸太(たぶん松?)と、細かい間隔の竹を下地にして茅葺き屋根が構成されています。

面白いのは、棟木(むなぎ)桁(けた)の細さ。日本建築って例えば30センチ角の棟木とか、おっきな丸太桁が入ってることが多い。そういえば前に行った石谷家住宅は凄いことになっていたし。それと、大黒柱がない。日本建築といえば大黒柱って感じなんだけど、それって比較的新しい(?)感覚なんですね。

ひょっとしたら、大きな材料で屋根を組んだり、柱を建てたりすることで自分たちの財力とか富を見せ付ける、といった目的で発達していったのかも・・・あくまで推測ですけどね。

700年前のお金持ちの家でこれだとすると、庶民の家はどんなものだったんだろう?想像が膨らみます・・・

『おもて』の北側にあるのがこの『だいどこ』。奥に見えるのが『なんど』。納戸というから収納かと思いきや、寝室なんだそうだ。ここの入り口は1m40cmくらいしかなく、まさにねぐらという感じ。

なんど内部。建物の北西角にあたるこの場所は、窓もなくこの家でもっとも暗い。照明がなければ昼間でも暗闇だと思うので、きっと良く眠れたことだろうと思う。私なら朝が来ても気付かない・・・

何でも、中に入ると自動で鍵が掛かる仕組みになっていたそうです。盗賊が多い時代だったそうで、現在でいうパニックルーム的な役割も果たしていたのかも知れません。これも推測です。

『こちら、日本最古のフルオーダーメイドキッチンでございます。シンクは天然石削り出し仕上げとなっており、ステンレスに比べ傷が付きにくくなっております(笑)』

しかし、道具がない時代に石を削るのは大変だったでしょうね・・・

流しの裏側はこんなことになっています。なるほど、水が流れてうまく入るんだね~

 

この窓、壁の下地として入っている小舞(こまい)がそのまま格子になるように作られています。小舞は鉄筋コンクリートでいう鉄筋の役割なので、例えると鉄筋一部むき出しって感じでしょうか。なんかかわいいですよね。

最近は竹を使って小舞を編むのですが、この家では細い木が使われています。

最後に、ここが入館受付の建物。入館料は300円です。受付はこの家の持ち主である箱木さん自らしてくれます。お土産なんかも売ってます。

・・・なんやかんやしていたらいつの間にか2時間も家の中をぐるぐるして、170枚も写真撮ってました。
受付におられた箱木さんには『怪しいやつ』と思われたかも(笑)

その2時間の間、お客さんは私一人・・・帰り際に2組ほど来られてましたが、日曜でも行列に並びたくない、という方にお勧めのスポットです。

今回は母屋だけご紹介したのですが、隣には離れもあるし、中には古い農道具なども展示してあって楽しめます。模型を展示している展示館と蔵も開放されています。古いもの、日本一ものが好きな方はぜひ。

  • 開館時間 - 9:00~18:00(冬季は17:00まで)
  • 休館日 - 12月31日と 1月1日
  • 電話 - (078)581-1740 箱木家 五十二代当主 箱 木 眞 人 氏
  • 所在地 - 〒651-1264 神戸市北区山田町衝原字道南1-4 
  • 交通 - 神戸電鉄「箕谷駅」より市バス111系統終点「衝原(つくはら)」下車徒歩3分

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PS

●今回、ただ写真を撮りにいったわけではありません。どうしてもやりたいことがあって機材をいろいろ持って行ってました。その様子はこちらから
←ヒントはこの写真。

●近くにうまいうどん屋さんがあります。私もこのあと行ってきました。そちらの様子はこちらから。箱木家見て、うどんを食べて、優雅な休日を満喫して下さい(笑)


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