私たちが高気密・外断熱・地熱利用にこだわるわけ

私たちは環境に負荷を掛けないエコハウス作りを専門に住宅設計を行ってます。
そんな私たちのポリシーは住宅の『高気密・高断熱化』そして『地中熱の活用』です。

その中で、高気密の家づくりを否定する方は一般の方、建築業者問わずまだまだたくさんいます。
『日本では昔から開放的な住まいが行われてきたんだ、だから気密化は必要ない』というのがその理由。


私たちが手掛ける『外断熱の地熱住宅』は、もともとアイヌのチセ住宅の研究から生まれました。チセ住宅は竪穴式住居と非常に似ています。皆がイメージする日本家屋の原型となったもの。


神戸市にある日本最古の民家建築、箱木家住宅。遠くから見ると、本当に竪穴式住居に見えます。
<箱木家住宅について詳しくはこちら>

土にしっかりと接して、南側以外の開口部を極力まで絞ったつくり。柱の外に10センチ厚で塗られた土壁と、分厚い茅葺き屋根は、まさに太古の外断熱工法と呼べるものでした。
<箱木家住宅の温度測定のようす>


日本家屋といえば、書院作りや数奇屋住宅をイメージする人が多いです。これは一般の方だけじゃなく、建築に携わってる人も大多数がそう。それは間違いではないのですが、そういった建築は『寺院やお寺』『貴族の豪族』のために発展してきたような経緯があるように思います。


現に、つい最近の江戸時代でさえ、庶民が住んでいたのは粗末な作りの掘っ立て柱の長屋でした。よく時代劇で出てくる、屋根に石が載ってて、井戸の周りでおかみさんたちが洗濯してる、あのイメージ。ほとんどの家は土間に板敷きで、畳を敷けたのはお金持ちだけでした。

日本家屋が土から離れて行ったのは、身分を示すために床を上げたからという説もあるくらいで、その他大勢の庶民は土に接して暮らしていた。でも日本の住宅はその後どんどん地面から離れていき、『床下を外と考える』今の住宅の姿に進化してきました。


でも、それは本当に進化だったんでしょうか?だって、今の日本の家はたった26年しかもたなくなってるんです。かたや、700年前に建てられた家がこうやって残っている。

何より、日本家屋といえば『開放的』『高床』というイメージ。これは正しいのかでしょうか。

建具だけで仕切られて、夏は開放することで涼しく住まうのが日本の暮らし方、でも冬はとても寒い。吉田兼好の『夏を旨とすべし』という言葉、日本の暑い夏を意識して家を考えろよ、というのは正解です。でも、そのために厳しい冬を無視するのはどうなのでしょう。



何より、竪穴式住居のようなチセのほうが夏涼しく、冬暖かかった。
そう考えると、これは本当に進化だったのかどうかは疑問です。

高気密住宅は日本の気候に合ってない、というけれど、窓のほとんどない箱木家住宅は開放型の日本家屋より閉鎖型の西洋住宅に近い。

その家は皆がイメージしてる日本家屋よりもっと古くからあって、安定した地中熱に支えられていた。

今こそ、私たちは先人の知恵から学ぶべきときです。夏も冬も考えた、自然エネルギーを活かした家づくりを。
それがこれからの環境を考えた本当の日本家屋だと私たちは考えています。