中庭のある家

リビング西側にある中庭(風)ウッドデッキの見上げ。上部はスノコ状にして、採光が取れるようにしている。スノコの上はバルコニー。バルコニー上部は屋根なので吹き降りの日でない限りあまり雨は入らない。

この家はちょうど『凹』のような形をしていて、このくぼみ部分の1階がウッドデッキ、2階がバルコニーになっている。このタタミ3畳ほどの中庭スペースは30坪程度の住宅にとってはすごく無駄な空間と思われがち。でもこの中庭、外と中の中間地帯としてリビングの開放感にもたらす影響は大きい。

仕事柄古い家を見に行く機会が多いけど、昔の家には縁側という外とも中とも付かない空間がある。そこはパブリックやプライベートと多用途に使われてきた。日本人がリビングの延長、半屋外空間を好むのはこういった歴史が関係しているのかも、なんて思ってしまう。


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収納と住まい(畳スペース下の収納家具)

最近、本格的な和室の需要は減ってきていて、ただタタミだけはどこかに欲しい、という方が多く、タタミスペースという提案が多くなっている。そんな時、段差をつけることを要望される方が多くて、私も腰掛けやすい高さの畳は『バリアフリー』だと思っているのでよく薦める。

ここで出てくるのが畳下の収納。せっかく床を上げるんだから、その下は何としても有効活用したいもの。ここで収納をどうするのか?が問題になる。引き出し式収納にしたい、という方が多いのだけれど、もともと高さがそんなにないところなので引き出しにすると収納量が極端に減る。キッチンの引き出し収納ならまだしも、大きな引き出しは重量物を載せられないし、家具工事にすると高くなる。

ということで、よくお勧めしている収納術が、前に板だけをはめて、中身はがらんどうにしておくというもの。これであればコストは下がるし、中身はホームセンターなどでキャスター付きの透明収納ケース収納ボックスなどを放り込んで片付けられるという裏ワザ。掃除も楽。
ただ、奥まで使えるようにしたときに物が取れなくなる場合があるので、畳はすぐに外せるようにしておくと便利。
化粧板も取っ手を付けず、穴を開けるだけにしておく、というのもコストダウンの手。換気穴にもなる。


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上下階で天井高さをやりくりする

リビング南側にある一段上がった和室、というか畳スペース。床から35センチ程度上げて、腰掛けやすい高さに、 また下には扉を付けて収納スペースも設けてある。手前の扉を閉めると和室とリビングを仕切ることができる。

奥にはキッチンと対面するカウンターがあって、掘りごたつの様に足を突っ込みながらご飯も食べられるし、晩酌にもいいカウンター。 カウンター上にも引き戸があるので、完全に和室を仕切ることもできるように考えた。

この家は斜線規制のためかなり高さを抑えていることは以前も触れた。通常の部屋の天井高には問題ないが、 このように床が上がってしまうと途端に苦しくなる。

そこで、この和室とキッチンのある南側ブロックは2階の床の高さを20センチ上げる工夫をしてある。 これで少しでも1階の天井高さを確保するためだが、2階が勾配天井で南側に上がっており、かなり高くなったからこそできた工夫。


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家の中心を明るくする

家の中心部に配置したリビング。上部はほぼ全て吹抜けになっていて、直射日光はほとんどないのだがなんとなく明るい。なので実面積よりかなり広く感じる。

通常、家の南面にリビングを配置して、その上を吹抜けにしたい、という希望が多い。吹抜けの『開放感』という点を見れば、間違いではないし、吹抜けの南面に窓を取ればリビングは眩しいくらい明るくなる。ただ、その代償としてリビングの奥のダイニングやキッチンが暗くなる、つまり家の中心部分が暗がりになってしまうことが多い。

寛ぎの場が明るいに越したことはないのだけれど、日常の家事をこなすところ、特にキッチンは、明るく、眺めのよい空間にしてあげたい、という感覚が常にある。(家事を手伝えていない自分の罪滅ぼし的な感情もあるのかも知れないが)

と、それはさておいても、家に一番長くいる人が一番気持ちいい、というのがいい家なのではないか、というのが私の持論。そして、家の中心『へそ』が明るければ、暗い部屋はどこにもできないはずなのだ。


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どこにしわ寄せを持っていくか。

敷地が50坪も60坪もある郊外ならまだしも、都市部の住宅では敷地が30坪前後、そこに同じく述床30坪、という家が最も多い。

この30坪総2階という限られたスペースの中で、ごく一般に求められる部屋、LDKとか和室を普通に取れば、自ずとどこかにしわ寄せが来る。逆に、一戸建てなんだから玄関はこれぐらい無いと、という既成概念がプランニングの幅を狭めることにもなる。それでも玄関ホールは大きくしたい、という人が多くて、そのしわ寄せを受けるのは大抵リビング。

ここでは施主さんの理解の下、極限まで狭い玄関ホールとし、ローカも取らないことでリビングをできるだけ広く取れる工夫をした。玄関は土間とホールと壁面収納含めて1坪(タタミ2畳分)。

この空間を少しでも大きく感じてもらうために、天井高と建具高を揃えて、姿見のミラーを付けたりという工夫をした。天井を高くすると余計圧迫感が出るから、2.2mと低めにして、奥のリビングとの高低差を大きく感じてもらえるようにしてみた。

玄関は大きい方がいいのは当たり前。でも代わりにリビングを狭くして、家族が集まれない、というのはどうか?と思うのだが。


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視線と西日

道路側に見える木塀の裏側はこんな感じになっている。この塀には二つの役目があって、一つは道路側からの視線を切るため。もう一つは西日除け。

視線と言う面で、ウッドデッキと道路には約60センチの高低差があるから、塀の高さは道路に立つ人より高く、デッキに立つ人よりは低い、という微妙な高さ加減になっている。

西日に関しては、西側道路の向こう側も空き地ということでかなり考慮することになった。西日当たり放題なのだ。しかし、他の3面は隣家が迫っているから西以外に日の取り込みようもない。

そこで、西側に3畳ほどの中庭を作って、ここに大きな開口を取り、なおかつデッキ前の塀で日をさえぎる、という複層構造にした。こうすれば日の当たるところに窓を取らなくて済むので余計な熱が入り込むこともない。でも明るさは取り込める。

ちなみに、壁に引っ付いている2本の木材は物干し掛け。凹んであるところに竿を掛けてもらう。他の部分にもハンガーを掛けられる。いい金物がなかったからなのだが、雨掛からないところなら木材の方が雰囲気もあっていい。


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低い天井=貧乏性?

この家は2006年初めに竣工。夫婦+子供一人のための家。

住宅設計駆け出しの頃は無我夢中で、平面的な感覚だけでプランを描き、建ってみたら思ったより高いとか、屋根勾配がきつい、ということが多かった。月日が経つにつれ、今度は高さがやけに気になるようになる。

同じ面積の家でも、天井高によって広くも狭くも感じる。高すぎて閉塞感が出ることもある。と悩むうちに、低い天井がいいなぁ、という気持ちが強くなってきた。

この家はまさにその真っ只中の設計で、2階寝室の天井は部分的に1800ぐらいしかない。しかし、それが妙に落ち着くと感じるのは自分が貧乏性なのか・・・

別に無理やり建物を低くしたわけではなくて、 法的な制限によるものなのだが、建物を低くすると外壁などの仕上げ面積も減るし、構造は安定しやすくなる。宮脇先生も著書に『天井の高いだけの家は成金の家』と書かれていた。こんなに利点一杯なんですよ、と説明してもなかなか受け入れてはもらえないところではあるけど。


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